三菱化学・三菱樹脂グループの建築・土木・プラント設備
  ヘルプ(ご利用方法について)
Home
トピックス
マイページ
ユーザー登録
ニュースリリース
製品情報検索
用途検索
テーマ別製品紹介
環境
リフォーム・リニューアル
省エネルギー
リサイクル
カタログダウンロード
技術情報
セミナー
技術情報リンク
参加企業一覧
お問い合わせ(回答者一覧)
サイトマップ
メールニュースサービス
Topics
HOME> トピックス
Topics
三菱樹脂が三菱ケミカルホールディングスの子会社に(2007年10月1日)
三菱化学産資は三菱樹脂に統合し、三菱樹脂に(2008年4月1日)
三菱化学MKVは三菱樹脂に統合し、三菱樹脂に(2008年4月1日)
建築・土木用途で使用されるプラスチック材料の解説(2)

2.ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)

概要:
 ポリ塩化ビニル(塩ビ樹脂)は、石油化学原料であるナフサの熱分解からのエチレンと工業塩の電気分解からの塩素を合成して得られる塩ビモノマーを重合して作られるプラスチックで、塩ビ樹脂の組成の約40%が石油由来、約60%が工業塩からとなっております。塩ビ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの4種類は汎用プラスチックと呼ばれていますが、その中でも、塩ビ樹脂は、最も早くから工業化された汎用プラスチックです。
 プラスチックでは、図1の様な化学組成の分子構造のものを繰り返し単位として、多数の分子が鎖の様に繋がっており、プラスチックを構成する化学組成やプラスチックに結晶性があるかどうかによってプラスチックの特性は大きく影響を受けます。ポリエチレン、ポリプロピレンやポリスチレンは、炭素(C)と水素(H)のみから構成されていますが、一方、塩ビ樹脂は、炭素と水素以外に極性を持つ塩素(Cl)を構成元素に持っているため、非結晶性の構造で、極性が大きい特徴を持っています。このため、塩ビ樹脂は、構成元素が炭素と水素のみから成るポリエチレンやポリプロピレンのオレフィン系プラスチックとはかなり異なる特性を持っています。

図1.プラスチックの化学組成

  塩ビ樹脂は、塩素原子が結合した分子構造を持つため、それ自体が難燃性に優れ、着火温度も455℃と高く、簡単には着火しない特性があります。また、着火しても、燃焼時に発生する塩化水素ガスにより、燃焼の継続を防ぐ自己消火性の特性があります。更に、塩ビ樹脂は、塩素原子の存在により空気中の酸素による酸化反応に対する抵抗が強く、塩ビ樹脂の優れた耐久性向上の大きな要因となっています。実際、塩化ビニル管・継手協会による埋設して使用されていた塩ビ管の「強度測定調査」では、30年以上経たパイプでも、初期のものと同様の強度を示すことが報告されています。


 塩ビ樹脂は極性ポリマーであり、分子鎖間の相互作用が強いため、通常加工製品は常温で硬い成形物となっており、この様な塩ビ製品は硬質塩ビ製品と呼ばれています。一方、塩ビ樹脂に可塑剤を加えると、フィルムなどの柔軟性に富んだ加工製品を作ることが可能になりますが、この様な可塑剤が入った塩ビ製品は軟質塩ビ製品と呼ばれています。塩ビ樹脂では、可塑剤の添加量により、パイプなどの硬質からフィルム・シートなどの軟質まで自由に変えることが出来ます。
 加工面では、塩ビ樹脂は溶融時の粘度が比較的大きいため、大型品の射出成形には適しておりませんが、継手などの小物品の射出成形法やカレンダー成形法(シートなど)、押出成形法(パイプ、窓サッシなど)、ブロー成形法(ボトル)などの多種多様な成形が行えます。また、複雑な断面構造の異形押出しなどが行えるのも塩ビ樹脂の加工法の大きな特徴になっております。

塩ビ樹脂の特徴:
塩ビ樹脂は原料の半分以上が塩であるため、難燃性の樹脂で、自己消火性の特性があります。
機械的物性に優れており、剛性や引張り強さなどの機械的強度の経時劣化が小さい。
高分子材料に外力を加え続けると時間の経過とともに製品の変形が進行するクリープ変形が極めて小さく、耐クリープ性に優れています。
可塑剤を添加することで、硬質用途から軟質用途まで広範な分野に適合する製品設計が容易に出来ます。
接着性、印刷性に優れています。
成形加工性に優れ、射出成形、押出成形、カレンダー加工、中空成形などあらゆる加工技術が可能です。
成形収縮率が小さい。
表面光沢に優れ、任意な着色も可能なため、外観部品として多様なデザインが行えます。
酸・アルカリには極めて強く、耐薬品性が優れていますが、非結晶性のため芳香族系炭化水素類やケトン類などの有機溶剤には侵されるため、注意が必要です。
非結晶性であり、樹脂自体の透明性は高い特性があります。
比重は約1.4であり、プラスチックの中では、比較的重いものに分類されています。

 塩ビ樹脂の課題としては、低温時の衝撃強度が低い、熱変形温度がやや低いことの改良が必要とされていますが、極性基を持ち非結晶性の塩ビ樹脂は、各種樹脂との混和性が良いため、他の樹脂との混合などの手法により物性向上が図られています。

需要動向:
 「塩ビ工業・環境協会」によれば、日本における塩ビ樹脂の2006年の総出荷量は210万8,735トンであり、総出荷量の内訳は国内出荷量が136万4,370トン、輸出が74万4365トンとなっております。国内出荷量では、塩ビパイプを中心とした主力の硬質用が76万3,492トン、一般フィルム・シートなどの軟質用は35万4,781トン、電線用・その他は24万6,097トンとなっております。因みに、世界全体では、年間3,026万トン(2004年時点)の塩ビ樹脂が生産されています。

 塩ビ樹脂は、難燃性が高く防火性に優れ、耐久性、加工性にも優れているため、塩ビ樹脂の約6割が各種建築・土木資材として使用されています。建築資材用途として、今後、省エネルギー効果や耐久性の高い塩ビ樹脂の機能性を生かした樹脂サッシや樹脂サイディング材などへの期待がかかっています。国内の樹脂サッシや樹脂サイディングの普及率は欧米や韓国、中国と比べても大きく立遅れており、潜在需要は極めて大きいと言われています。
 塩ビ樹脂の熱伝導率がアルミの1,000分の1であるため、京都議定書公約の二酸化炭素削減の民生分野での切り札として断熱性、結露防止、遮音性などに優れている樹脂サッシが位置づけられており、2006年に環境省庁舎の一部に「塩ビ樹脂製サッシが設置」され効果を上げております。
 また、塩ビ業界を中心にマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルなどのリサイクル手法が検討・実施されており、塩ビ樹脂のリサイクル・再資源化の取組みが塩ビ樹脂の需要拡大に貢献すると期待されています。塩ビ管、農ビなどについては、すでにマテリアルリサイクルが実施されています。


主な塩ビ樹脂の建築・土木資材用途例:

 建築資材用途
1. 壁・内装材料:プラスチック系床材(タイル、シート)、ビニル壁紙、内装用装飾シート
2. 屋根・外装材料:塩ビ波板、プラスチック雨どい、防水シート、デッキ材、樹脂サイディング材
3. 開口部材:樹脂サッシ(外窓・内窓)、ガスケット

 土木資材用途
1. 配管材料:水道用塩ビ管、下水道用塩ビ管、設備排水用塩ビ管、塩ビ製排水ます、塩ビ製継手
2. 板・シート:止水板

 用途例の説明
塩ビ樹脂は、難燃性であり、また、自己消火性に優れているため、火災の危険性が少ない素材として、住宅用の建材など難燃性の必要な製品に最適なプラスチックとして使用されています。また、難燃性の他、耐久性にも優れているため、窓サッシ、サイディング材などの外装建材や、壁紙、フロアー材などの内装建材など幅広い分野で使用されています。
塩ビ樹脂は、極性を有し、非結晶性のため、接着性、印刷性に優れており、木目、大理石、メタリック調などの模様をはじめ多彩な意匠を可能とし、壁紙や床材などに使用されています。また、塩ビ樹脂を溶剤などと混合することにより、接着剤や塗料としても使用されています。
塩ビ樹脂は、剛性、引張り強さや曲げ強さなどの機械的強度が高く、耐久性に優れているため、上下水道用のパイプや雨どい、樹脂サッシなどに用いられています。
荷重がかかった状態では時間の経過とともに変形するクリープ現象は、プラスチックを建材に使用する場合に特に重視される特性ですが、硬質塩ビ製品は、クリープ変形が極めて小さいため、ダクト、窓サッシやデッキ材などの各種内装・外装建材に幅広く使用されています。
非結晶性の塩ビ樹脂は、透明性に優れているため、硬質塩ビ製品の透明間仕切り板などの建材や、工業用平板、波板などに使用されています。
比重は約1.4とプラスチックの中では、比較的重いものに分類されていますが、水に浮かない性質を利用した池やプールなどの遮水シートなどに使用されています。
 
なお、三菱化学グループでは、「ヴイテック(株)」が塩ビ樹脂の製造、販売を行っており、「三菱樹脂(株)」、「三菱化学産資(株)」、「三菱化学MKV(株)」が各種塩ビ樹脂製品を上市しております。
このページのTOPへ

2003 All Rights Reserved MITSUBISHI CHEMICAL CORPORATION